北海道ライフサポートセンター設立宣言
本日、北海道労働者福祉協議会と設立に賛同する連合北海道および労働福祉事業団体などの加盟団体(正会員)は、連携・協働するNPOなどの諸団体や専門家のみなさんとともに“協同の家”である『北海道ライフサポートセンター』を設立いたします。
労働者福祉の組織とその運動は、終戦直後の食糧危機と生活物資の不足が深刻化する社会状況のなか、組織の枠を超え、すべての働く者の立場に立って福祉の充実と生活向上をめざすという一点を結集軸に、中央およびこの北海道において発祥し、今日まで引き継がれてきました。
あれから時代は過ぎ、人生に例えると還暦を超えたいま、私たちは、あらためて安心と信頼の支え合う社会基盤の再構築(助け合い=社会連帯)をめざして再スタートを誓い合いたいと思います。
年金・医療・介護・福祉など、社会的共同事業としての社会保障制度は、今もなお、国民にとっては将来不安の最大要因となっており、社会人を育てるという伝統的な支え合う基盤をなしていた企業は、雇用のリストラ・非正規雇用の増大などによって安定雇用を大きく揺り動かしている存在となってしまいました。
さらに、福祉の最後の拠り所とされていた家庭においても、少子化・核家族化の進行なども相まってその役割を果たし切れない環境下に置かれていると言っても過言ではありません。
そして、何よりも大きいのは、人間社会の根幹をなす労働について、“まじめに働けば報われる”という、これまで当たり前とされていた価値観が、今日の厳しい雇用情勢などによって歪められていることです。
こうした問題意識は、決して私たちだけのものではありません。いま、全国・道内の各地域・職場などでは、「新しい公共」に対する様々な社会運動が展開されていることを見逃してはなりません。
また、来る2012年は、国連総会の宣言によって「国際協同組合年」とされています。3月11日、“東日本大震災”という“国難”に遭遇した私たちは、新しい国づくりを始めなければなりません。
『北海道ライフサポートセンター』は、労働組合運動の原点ともいえる「弱者への思いやり」「助け合い」「社会正義」と労働者福祉運動のDNAである「福祉はひとつ」「すべての働く者の結集」を体現した、これからの「助け合い」「支え合う」という社会的機能が、時代の要請となって私たちに求められていることを肌で実感しなければなりません。
『北海道ライフサポートセンター』は、以上のような社会的問題意識と自らの社会的存在意義を自覚しながら、連合北海道および労働福祉事業団体とがっちりスクラムを組み、さらには、協働する団体、専門家等のみなさんとの連携網(ネット化)と機能化(ワーク化)を着実に進めながら、社会や地域と、すべての働く人々の生活と人生への支援活動を展開していくことを宣言いたします。
三つの“きょうどう”(共同=いっしょ・協同=役割分担・協働=多様性)が光り輝く労働者福祉の時代が必ず到来することを期して・・・・
2011年10月26日
北海道ライフサポートセンター設立総会